
重要なポイント
- 米国によるTikTok禁止の可能性が、中国のソーシャルメディアプラットフォーム「Rednote」への関心を急上昇させ、代替候補として注目を集めている。
- RednoteはInstagram、Pinterest、TikTokの特徴を組み合わせたサービスで、阿里巴巴集団(アリババ)や騰訊(テンセント)などの中国テクノロジー投資家に支えられ、評価額は170億米ドルに達する。
- 元TikTokクリエイターとユーザーがRednoteに大量に移行し、米国App Storeランキングで首位を獲得する原動力となっている。
米国でのTikTok停止の可能性にクリエイターらが備える中、新たなソーシャルメディアアプリがユーザーの大きな関心を集めている。2024年に法律上の挑戦を経て、TikTokに代わる存在として台頭しつつあるのが、中国発のソーシャルメディアアプリ「Rednote」だ。
米国におけるTikTokの将来は数ヶ月にわたり不透明な状況が続いている。下院は2024年3月にTikTok禁止法案を可決し、その後、同年10月には司法省と13の州から訴えられた。禁止が提案される主な理由は、北京に本拠を置く親会社バイトダンスと関連する国家安全保障上の潜在的なリスクに対処するためである。最高裁判所が介入しない限り、2025年1月19日からTikTokはAppleとGoogleのアプリストアから削除される。同社は最近、事業停止の準備が整ったことを示唆している。
TikTok禁止の差し迫った脅威は、米国のコンテンツクリエイターやユーザーに代替手段を模索させるきっかけとなり、中国のソーシャルメディアアプリ「Rednote」が主要候補として浮上した。中国では「小紅書(Xiaohongshu、XHS)」として知られるRednoteは、Instagram、Pinterest、TikTokを組み合わせたようなサービスとよく表現される。2013年に設立されたこのプラットフォームは、製品レビューやショッピング体験の共有スペースとして始まり、美容や健康分野のインフルエンサーに人気のハブへと進化した。特に女性ユーザーに人気が高、ユーザーベースの70%以上を占めると報告されている。2024年7月現在、Rednoteの評価額は170億米ドルで、中国の大手テクノロジー企業である騰訊(テンセント)と阿里巴巴集団(アリババ)の支援を受けている。
Rednote、TikTok後継の最有力候補に浮上
TikTokやPinterestに類似した要素を取り入れたインターフェースにより、RednoteはLemon8、ChatGPT、Threadsなどの他の人気アプリを抜き、米国App Storeチャートのトップに躍り出た。1月13日現在、Rednoteは米国で最もダウンロードされたアプリとなっており、多数のTikTokクリエイターがプラットフォームに参加し自身の存在感を確立しつつある。Rednoteの急成長を論じる動画が、TikTokやTwitter、Instagramなどの他のソーシャルメディアプラットフォームで注目を集めている。興味深いことに、中国の既存Rednoteユーザーは米国ユーザーの急増に気付き、積極的に歓迎する動きを見せている。
TikTokが中国企業所有を理由に米国から排除されようとする中、その最も有力な後継候補もまた中国のアプリケーションであるというのは顕著な皮刺と言える。Rednoteが現在の勢いを今後も維持できるかどうかは、特に米国におけるTikTokの運命が明確になった後に注目される。仮にTikTokが米国のアプリストアから最終的に削除されることになれば、Rednoteはさらに大きな新規ユーザー登録の波を経験する可能性がある。
